iPhoneがすっかり主力商品になってしまった今、新世代が出てもあまり話題になることがなく、買おうとして初めて「あ、今こんな形なのか」と思うぐらいだったが、結局カードぐらいのサイズが一番使い易いんだろうな。
機能も音楽とラジオぐらいしかない、ずっとそうだったにも関わらず、スマートフォンに慣れた身には新鮮だ。いやむしろ機能が厳選されていると思えば、こちらの方がスマートかもしれない。ストイックでカッコいいぞ。
そうかそれならスマートフォンも中身を厳選してみよう、と思い立つ。トップ画面には電話とメールとメモ帳、google検索画面だけ、SNSの閲覧は必要最低限に絞って、ゲームは削除して…
あれ、それって10年前の携帯電話じゃない?
スマートフォンで手に入れたはずのスマートって何だったのか。
「20世紀宇宙の旅」のモノリスそっくりな黒い板は、私たちに「どこでも」「いろんなこと」を出来るようにしてくれた。
私たちは移動中に友人と連絡をとり、走りながら音楽を聴き、歩きながら友人達の日常を観察し、レストランでは友人がトイレから戻るまでのあいだ洒落た写真にハートマークを飛ばし、まとめサイトを見、真顔で笑い、泣き、麦茶を吹き、遠く離れた人間の顔色を伺い、ランウェイの最前列では拍手もそこそこにムービーを撮り、独りの時は理想の自分が映るまでシャッターを押し続け、アプリ開発で一攫千金を狙う若者達がこぞって起業家(起業家という単語が世の中に籍を置く肩書きとして正しいのか甚だ疑問だ)にアドバイスを求め、
それらは人生にとって「筋肉」なのか「脂肪」なのか。
スマートなのか、質量の無いメタボリックなのか。
どうなんだモノリス、教えてくれ。
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